今年も、神奈川県公立高校の入試が終わりました。
今のところ、1人も不合格はおらず、皆希望の学校に合格することができています。
教室では、担当講師一同ほっと胸をなで下ろしているところです。
さて、今年は新制度に変わった初年度の入試でした。
まずは、新制度の変更点を簡単にまとめたいと思います。
(1)前期・後期と分かれていた入試が一本化
(2)全員に学力試験と面接が課される
(3)学力試験が難化
特に受験生にとっては、(2)(3)の部分が大変不安だったのではないでしょうか。
事前に教育委員会から発表された問題例も、自由英作文や数学の全文証明、その他の科目でも記述が大幅に増え、これまでの問題よりもかなりの難化を暗示するものでした。
そして運命の2月28日(木)。
合格発表と同時に、各高校の最終倍率が教育委員会から発表されました。
※詳細情報はこちら↓
http://www.pref.kanagawa.jp/prs/p611506.html
この中から、川崎学区の部分を抜粋してみたいと思います。
学 校 名 募集定員 受検者数 合格者数 取消者数 競争率 欠員
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県立新城 267 336 267 2 1.25 0
県立住吉 317 395 317 0 1.25 0
県立川崎北 317 427 323 2 1.32 0
県立多摩 277 387 280 10 1.35 0
県立生田 357 365 361 4 1.00 0
県立百合丘 317 375 323 0 1.16 0
県立生田東 318 309 308 1 1.00 10
県立菅 357 350 349 1 1.00 8
県立麻生 278 267 264 3 1.00 14
市立川崎 158 151 151 0 1.00 7
市立橘 198 247 198 0 1.25 0
市立高津 238 273 238 1 1.14 0
蓋を開けてみると、今年の公立入試はここ数年で最も倍率が低い入試になりました。
生田東・菅・麻生・市立川崎では定員割れ、生田では定員以上の合格が出たので倍率は1.00倍です。
神奈川県全体でも、1.19倍と昨年の1.40倍から大幅に低下しました。
これはどういうことなのか、自分なりに考えをまとめてみました。
おそらく新制度となり、入試が不透明になったことを受けて、内申が確保できた受験生を中心に、
『よくわからない公立で勝負をせずに、私立の推薦入試で確実に合格をしよう』
という意識が全県で高まったためだと考えるのが、最も実態を表している気がします。
「神奈川方式」と呼ばれた頃から、内申中心の受験指導が行われてきた神奈川県らしい結果といえます。
生徒にそれとなく聞いてみたところ、やはり私立の推薦を受けた生徒もかなりいたようです。
最後まであきらめず果敢に挑戦した生徒たちに、今年は勝利の女神が微笑んだのですね。
来年度は、新制度2年目そして今年のこの低倍率を受け、倍率はかなり上昇するかもしれません。
ポイントはやはり実際の入試問題の難易度です。
数学・理科は例年並み、社会がかなり難化したという印象を受けています。
今月中に全県での合格者平均点が教育委員会から発表されます。
それを待って入試問題の分析を行いたいと思います。